文化・マナー・習慣

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日本映画の黄金時代を知るためのおすすめ映画Ⅲ日活編

2023年11月13日

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先ごろ亡くなられた樹木希林さん、山崎努さんの共演で画家熊谷守一の日常を描いた「モリのいる場所」、俳優の山田孝之さんプロデュースの『デイアンドナイト』(2019年1月公開)などの作品で、最近も話題になっている日活ですが、全盛期はスケールが違います。役者も監督もやりたい放題、そのイケイケぶりは当時の若者の人気を独占するほどでした。はい、そういうわけで今回は、鼻高々時代の日活映画のお話です。

知らない人はお祖父ちゃんに聞いてみよう 日活ダイヤモンドライン

大スターを中心とした映画づくりのシステムをスターシステムと呼んでいます。ハリウッド映画で始まったこの手法は、興行成績に直結するものとして日本映画でも取り入れられました。日活のスターシステムを支えたのが、石原裕次郎小林旭赤木圭一郎和田浩治の通称日活ダイヤモンドラインです。この4人に宍戸錠二谷英明などが加わって作られた日活アクション映画は東映の時代劇路線とは真逆の現代劇が主体。男優陣を彩る女優さんは美しく健気な純情派というのがお約束でした。ちなみに女優では吉永小百合さん、浅丘ルリ子さんなど今でも現役の方がいらっしゃいます。

石原裕次郎という人がいた

日活スターの中でも日本映画界最大のスターと呼ばれたのがユージローこと石原裕次郎。慶應義塾大学出身の湘南ボーイで趣味はヨットという経歴に加えて、自由奔放な言動は当時の若い世代の人気を一身に集めるほど、足が長く身長も180cmほどだったといいますから、今でも長身の部類。ただ、現代の俳優さんに比べると顔の大きさが目立つようですがもう60年も前の時代ですからね。
タビノトが選ぶ石原裕次郎作品ベスト5。5位は「嵐を呼ぶ男」、4位「銀座の恋の物語」、3位「赤いハンカチ」、2位は初主演作でフランスヌーヴェルバーグの旗手フランソワ・トリュフォーに影響を与えたとされる「狂った果実」、そして堂々の第1位は「幕末太陽傳」。居残り佐平次をはじめいくつかの落語にヒントを得た川島雄三監督のこの作品。「新世紀エヴァンゲリオン」の庵野監督にも影響を与えた名作としてぜひ見ていただきたい一本です。

スリムでキレイな顔立ちだった 小林旭

石原裕次郎と並ぶ大スターだったのがマイトガイこと小林旭です。ちなみに当時の日活ではニックネームとして石原裕次郎にはタフガイ、赤木圭一郎はクールガイ、テレビで今もおなじみの高橋英樹はナイスガイと呼ばれていました。ガイというのは英語で男の人をさす当時の流行語。マイトガイのマイトはダイナマイトの略です。う〜んパワフルですね。
テレビなどで現在の姿を知っている人が見たら小林旭のスリムなボディと顔立ちにはびっくりするかも知れません。当時の日活スター総じて顔がいいんです。ファンファン大佐こと岡田真澄しかり、吉永小百合、浅丘ルリ子、本当に皆さんおきれいです。こりゃ人気もでますよね。 さて、タビノトが選ぶ小林旭作品ベスト5いきます。5位は「ギターを持った渡り鳥」、4位「完全な遊戯」、3位「東京の暴れん坊」、2位は名匠鈴木清順監督と組んだヤクザ映画「関東無宿」、そして堂々の第1位は「ギターを持った渡り鳥」。もう理屈抜き、大ヒットした渡り鳥シリーズの第一作です。

実は純愛も日活のお得意ジャンル

バランス感覚とでも言うのでしょうか、スノッブの効いた無国籍アクションと並んで人気だったのが純愛系の青春映画作品です。浅丘ルリ子主演の「絶唱」、吉永小百合(カワイイ!)主演の「キューポラのある街」や坂本九の大ヒット曲にインスパイアされた浜田光夫、吉永小百合、高橋英樹の「上を向いて歩こう」、「世界の中心で、愛をさけぶ」など純愛ドラマの元祖とも言われる「愛と死をみつめて」など、こちらも当時の人達の恋愛観やファッションセンス、レトロな東京の街並みなど見どころはいっぱいです。さて、東宝、東映の回でも紹介した“昭和の映画スターは歌う説”石原裕次郎、小林旭は歌手としても超大物。また浅丘ルリ子、吉永小百合、和泉雅子の女優陣もヒット曲を持っているという点を考えると日活にも当てはまるようです。恐るべし、昭和。

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