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日本映画の黄金時代を知るためのおすすめ映画Ⅰ-東宝編-

2019年03月18日

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日本映画がもっと活況を呈した時代といえば昭和20年代後半から30年代にかけて。映画「Always三丁目の夕日」の舞台となったあの時代です。ゴールデン・ウィークという言葉が一般的になったのもちょうどその頃。連休には映画館へ行こうという映画会社のキャンペーンが始まりだったそうです。
東宝東映日活松竹大映新東宝といった当時のメジャーからは毎週2本立て、3本立てといったペースで新作が封切られていました。日本映画の黄金時代を知るためのおすすめ映画チョイス。栄えある?第一回目は、国際的に評価を受けた名作や芸術作品は別の機会に譲るとして、当時の人々を楽しませた娯楽作品にフォーカスしてみました。

日本映画がもっと活況を呈した時代

頭空っぽにしてイェーイ。明日は元気だ!東宝おバカ映画?列伝

東宝に限らず当時の映画作りの特長として、パターンを踏襲した作品が多かったことがあげられます。中でも陽気で屈託がなく、歌あり、笑いあり、元気ありとパワフルなノリでいっぱいだったのが東宝映画です。
その代表作は「駅前シリーズ」「社長シリーズ」「無責任シリーズ」「若大将シリーズ」などのプログラムピクチャー。どのシリーズも毎回同じようなストーリーなのですが、これこそが安定のお約束。意外性こそ無いものの、おなじみのギャグや鉄板のフィナーレに当時の人々はカタルシスを感じて大満足。現実生活で嫌なことがあっても笑ってストレス解消となったそうです。単純といえば単純ですが、それは明日という言葉に希望を感じる時代と無縁ではありません。

さて当時の東宝といえば、映画のシーンでいきなり歌が始まるなどの唐突感も忘れられません。それまで恋人と海辺を散歩していたはずなのに、何の脈絡もなく歌い出す加山雄三。別の映画では歌っている加山雄三の後ろには、意味もなくバックダンサーが登場するなどわけのわからない展開も。この強引さ、アメリカ映画の影響だとでも言うんでしょうか。そういえば日活映画では石原裕次郎主演のミュージカル「素晴らしき男性」などという珍品もありました。いずれにしろ銀幕のスターたち(死語を承知であえて)の輝きは、現代とは大きく違います。映画スターがタレントではなくスターとして特別な存在だった時代の映画作品です。

歌あり、笑いあり、元気ありとパワフルなノリでいっぱいだったのが東宝映画

クレージーキャッツがいた

森繁久彌※1、加東大介※2、三木のり平※3など名優の洒脱な演技で盛り上げる社長シリーズもいいのですが、私のオススメはクレージーキャッツ。日本を代表するコミックバンドだったクレージーキャッツの真骨頂は、カラッとした明るさと野放図なまでの楽天主義。前出の無責任シリーズをはじめ日本一シリーズ、クレージー作戦シリーズなどがありますが、あえて“これ見ておけ”と推すのが一般的には評価の低い「クレージー黄金作戦」という一本です。
東宝35周年記念作品としてなんと日本初のアメリカ本土ロケ、しかもラスベガスを舞台にしたといいますから当時としては超大作。メインストリートを封鎖して行われたクレージーキャッツの面々が歌って踊るダンスシーンは圧巻。この映画35周年記念とあって、出演者も東宝のスターや当時全盛だった渡辺プロのタレントがカメオ風に大挙出演。ハワイのシーンではいきなり若大将設定の加山雄三が歌いながら登場。その他にもザ・ピーナッツブルーコメッツジャニーズジャニーズ(プロダクションではなくグループ)、コメディアン時代の藤田まこと。さらにはドリフターズと昭和スターの若き日の姿を見ることができます。 底抜けに陽気、限りなくパワフル、単なるおバカ映画と見過ごせないこのバイタリティこそ、今の日本に必要なものなのかもしれません。

単なるおバカ映画と見過ごせないこのバイタリティ

知らない世代のための日本の芸人豆意識

※1俳優・歌手・コメディアン。ミュージカル「屋根の上のヴァイオリン弾き」ではテヴィエ役で900回出演。軽妙洒脱とはまさにこの人のことですが本来はシリアスな役者志望(作家小林信彦による評価)。死後国民栄誉賞を授与。

※2歌舞伎出身の俳優・作家。妹は女優沢村貞子、甥には長門裕之津川雅彦などがいる芸能一家。「羅生門」、「七人の侍(七郎次)」、「用心棒」など黒沢作品でもよく知られている。「ジャングル劇場の始末記 - 南海の芝居に雪が降る」で第20回文藝春秋読者賞受賞。

※3俳優・演出家・コメディアン。「パァーッといきましょう」のセリフと共に見せる社長シリーズでのお座敷芸はマクロな日本文化?として必見!「桃屋」のCMや一部瓶詰め商品では丸メガネのとぼけたキャラクターとして“現役”で活躍中?

知らない世代のための日本の芸人豆意識

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