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日本文化の危機? 日本人の論文や研究活動が減っているのはなぜ?

2022年09月20日

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日本の高度成長やそれに続く発展を支えた背景には基礎技術を始めとする様々な研究活動が寄与しています。その科学研究活動の指標である論文数の世界ランキングで異変が起こっているそうです。日本の論文数は10年ほど前までは米国に次ぐ2位でしたが現在は4位。さらに質が高いと評価される論文にいたっては9位と、質量ともに低下が叫ばれているのです。かつて流行語にもなった「2位ではダメなんですか」発言ではありませんが、国が科学技術にかける予算にもその傾向はありありと。10年間で10%程度と伸び悩む日本の予算伸び率に比べ、現在2位で近々1位のアメリカを逆転するのではと噂される中国は260%と大きく見劣りしています。20世紀の頃は中国製イコール低品質、まがい物。これに対し日本製は安全・安心・高品質というイメージがありましたが、それもこの先10年で逆転される可能性が強くなってきました。

研究より就職 夢や希望ではなく将来の安心を選ぶ学生たち

なぜこんな事になってしまったのでしょう。先ほどの国家予算ではありませんが、企業の研究活動についてもリストラ・予算削減などの影響を見逃すわけにはいきません。企業の研究は利益を目的としたものですが、以前は将来への投資として基礎研究を大切にする姿勢がありました。それがリーマン・ショックを契機に目先の結果を求める傾向が強くなりました。このような研究費の削減も問題ですが、より大きな問題となっているのは人材の確保です。予算削減やスリム化を求めるあまり、研究者となる大学院生の採用を抑える企業が少なくありません。その反作用として博士課程を修了しても正規の職に就けないのではとの不安から大学院に進まず、企業への就職を選ぶ学生が増えているというのです。また、就職がうまくいかないから大学院へという本末転倒の学生も多いとか。これでは将来の日本の科学技術に不安の2文字が記されるのも無理からぬことかもしれません。

救いは外国人留学生

2018年のノーベル医学生理学賞を受賞した本庶佑京都大特別教授の研究室は外国人研究者が全体の過半数を占める多国籍集団です。日本人研究者による学術論文が減少する中、優秀な外国人研究者が日本で学ぶ道を選んでいるのです。文部科学省の調査によると、日本の大学院に在籍する外国人は平成29年の時点で過去最多の4万6千人強と今や5人に1人が外国人というグローバルな研究環境となりつつあります。 地盤沈下傾向にある日本の学術研究とはいっても本庶教授の例を挙げるまでもなく指導者のレベルは高く、現時点での研究内容も世界トップレベルにあることは間違いありません。視点を変えると今の日本の大学院は意欲ある外国人研究者にとって、非常に魅力のある環境といえるでしょう。 現在、外国人留学生を募集している大学院は国公立・私立を含め日本全国で587校。東京大学、京都大学、慶應義塾大学、早稲田大学、大阪大学、北海道大学、東北大学、名古屋大学、九州大学、東京工業大学、筑波大学、首都大学東京、電気通信大学等、次世代の研究者のために広く門戸が開かれています。 外国人または海外の大学を卒業した方で日本の大学院を希望する場合は(公財)アジア学生文化協会と(株)ベネッセコーポレーションが共同運営する大学・大学院情報、奨学金情報サイトJAPAN STUDY SUPPORT(http://www.jpss.jp/)を利用してみると良いでしょう。各大学院のより詳細な留学情報が得られます。

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