日本食は、近年海外でも非常に人気が高く各国で受け入れられています。 海外に行くと日本食のレストランを見かけることも多いのではないでしょうか。 農林水産省の発表による2021年の海外における日本食レストラン数は15.9万店にも及んでいます。 およその10年近く前の2013年は5.5万店でしたから2.89倍にも増加しているのです。 今回は日本食における海外の方たちの反応に注目してお伝えしていきます。
■人気の高い日本食は何?
日本食は、海外と比べてもとにかくレパートリーが広いのが特徴です。 和洋折衷あり、海外にとっても受け入れられやすい料理も多くあります。 ただ、やはり海外の方にとって一番人気が高い日本食は、いわゆる和食と言われるジャンルの日本食の代表格と言われる食事がほとんどです。 ラーメンやカレーライスなども人気なのですが、やはり日本らしい和食が海外で最も好まれるようです。 では、どのような日本食が人気なのでしょうか。 海外の方の反応を合わせてご紹介します。
寿司・刺身
寿司や刺身は苦手に感じる方も多いですし、西洋人の方を中心に母国では生の魚は食べないという文化の方も多くいらっしゃいます。
アメリカなどでは、お寿司でもデフォルメされたカリフォルニアロールが人気である場合やお寿司のネタがツナやささ身、蒸したエビなどが使われることも多いものです。
- ・貴重な生の魚を食すことができる寿司は新鮮でおいしい!
- ・日本のシャリは甘みがあっておいしいです。
- ・わさびは意外と辛くなくておいしい
日本の寿司は、海外で作られているスシと比べても酢と飯の比率が絶妙で、シャリに使われる日本の白米は甘みが海外のシャリとは大違いで絶品なのです。
ネタよりシャリを楽しむ海外の方も多いようです。
ラーメン・うどん
近年、大手ラーメン・うどんチェーン店が軒並み海外進出していることもあってか、寿司や天ぷらをしのぐほどの人気となっています。
- ・リーズナブルな価格で日本食を食べられること
- ・日本にしかない独自の食べ方を体験することができること
ラーメンやうどんはそのお店それぞれで独自の進化を遂げ、同じ料理であっても全く違った 味わいが表現されているため、食べ比べをするなどして日本食を楽しむ外国人の方もいるようです。また、ラーメンやうどんの醍醐味の一つである「出汁」。出汁には強い旨味成分が凝縮され ており、近年旨味を意識した料理が注目されていることもあってか、素材の旨味を生かす日本食を体験できるという理由からこうしたラーメンやうどんを好んで食べられる方が増えているようです。
天ぷら
海外で食べられる日本食レストランの天ぷらは衣が厚いだけで、素材の味が活かされていません。
- ・日本の天ぷらはとにかく衣が薄くてサクッとしておいしいです。
- ・脂っこくなくカラッと揚がっていて、しつこくないです。
- ・塩で食べると素材の味が活かされているし、天つゆで食べるのもつゆの味が染みておいしくなります。
日本の天ぷらは、私たちが家庭で作るのも難しいほど、技術や知識がないと厚めの衣になることやべちゃっとした脂っこい印象があります。
しかし、プロの調理師が調理すると衣が薄めでカラっと仕上がっているので、サクサクの食感を楽しむことができます。
脂っこさを感じないので、油ものの食事でも胃もたれすることなく味わえるため、海外の方からの人気も高いです。焼き鳥
海外の方には、レバーなど独特な味わいのある部位は苦手な方もいらっしゃいますが、モモやつくねは食感も味わいも癖がなく非常に人気が高いです。
- ・お酒にぴったりでおいしいです。
- ・塩で食べると鶏肉の味が活かされておいしく感じます。
- ・炭火焼の焼き鳥が香ばしくてとてもおいしいです。味と香りでしっかり料理を楽しめます。
上記のように、炭火焼の焼き鳥がとても人気が高く、たれよりも塩のほうがあっさりしていて特に人気のようです。
肉料理
英語で「WAGYU」という単語が生まれたように、和牛は先進国を中心に近年多くの国々で食べられるようになってきました。和牛は日本の牛と外国産の牛を掛け合わせて品種改良した食用牛を指します。
- ・ほどよい脂身と赤身があり、肉質がやわらかい
- ・様々な料理に幅広く使える
- ・ワインや日本酒にも合う
- そのため、和牛を使った「しゃぶしゃぶ」「すき焼き」など日本の肉料理は、アジアを中心に人気が高まっています。脂の質が高く、さらっとした脂になっているので、クセのない上質なお肉の旨さを味わうことができるのも肉料理が好きな外国人に好まれるようです。
■日本食でも苦手なものがある
もちろん、海外の方にとって、日本食すべてが受け入れられているというわけではありません。 海外の方が苦手としているものをいくつか挙げていきます。
漬物
英語圏での表現は、ピクルスとされる漬物ですが、ピクルスと漬物は味がまったく異なるものだということは皆さんもご理解されている通りです。
- ・漬物が塩辛いのが苦手です。
- ・梅干しの酸っぱさが苦手です。
- 上記のような感想を抱かれる方が多いです。
ピクルスは酢を使った漬物であり、一方で日本の漬物は食塩や酒粕などを漬け込んだ漬物ですから味がしょっぱいのが特徴です。
この味に慣れていないのでおいしくないと感じる海外の方が多いようです。
こんにゃく
おでんや筑前煮などの和食に入っているこんにゃくは、私たちにはなくてはならない素材ですが、海外の方にはこのこんにゃくの食感が苦手のようです。
- ・ゴムみたいな食感が苦手です。
- ・こんにゃくの黒い粒が気になります。
- 見た目と食感から見たことのない、体験したことのない食べ物として扱われ、苦手意識を持つ方が多いようです。
■日本食が愛される理由とは?
日本食は、海外の食事と比べると刺身やお寿司などにも代表されるようにとても新鮮な素材を使っていることからおいしいと感じられる方が多いです。また、食事の彩りや見た目にもこだわりを持っていることから、目、耳、鼻と五感を使って楽しめるのが魅力になっています。さらに、日本食は独特の文化として箸を使って食事をする文化がありますが、この箸を使って食べるという日本食の体験を楽しいと感じる方も少なくないようです。日本食は海外の食事と比べるとボリュームも多すぎず脂っこくなく、意外にもヘルシーな食事で味もおいしいことから、評価が高いと言えるでしょう。
■まとめ
いかがでしたか。 日本食は、海外の人々にとってとても新鮮であり、日本でしか味わえない味わいや食感に魅力を感じ、海外からわざわざ日本へ観光へきて日本食を楽しんでいます。 海外の日本食レストランでも、より忠実に日本料理が再現されるように現代の日本料理の技術が伝わっていくと良いものです。
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