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モダンで愛らしい、現代人の感性に合う伝統工芸品の魅力を届けたい。

2023年11月26日

関連キーワード:日本文化 工房 手作り ものづくり 職人 伝統技術 伝統工芸 和傘 

国土の大半が温暖湿潤な気候に属し、豊かな水に恵まれた日本では、雨はなじみ深いもの。土地や人々に潤いをもたらすだけでなく、四季折々の豊かな風情までも感じさせてくれます。

そんな気候と風土に育まれた伝統工芸品が、日本古来の『和傘』です。骨組みを作る『つなぎ』、骨の間隔を均等に調整する『まくわり』、本体の和紙を張る『張り』など、その工程の全てが手作業なのです。更に竹・木・柿渋・和紙などの自然素材を主な材料として作られているので、手にしっくりとなじみます。

日本古来からの手法でつくられる『和傘』

優れた実用品であるとともに、目にも美しい工芸品でもある逸品。その世界に弱冠20代にして飛び込み、女性ならではの可愛らしく華やかな商品を作り続けているのが、『仐日和(かさびより)』の河合幹子氏です。

和傘はその精緻(せいち)な構造を作り上げるために、100以上もの工程を必要とします。気が遠くなるような多さのため、本来は分業制となっていますが、河合氏はそれらをほぼ1人で手がけています。できるだけ多くの数を作るため、ロクロに骨をつなぐ工程だけは外注しているといいますが、それでもほぼ単独で和傘を作り上げる技術は出色です。

『仐日和(かさびより)』河合幹子氏

気負わずしなやかに、伝統工芸を受け継ぐ。

祖父母が和傘職人という家系に生まれて、叔父も老舗の和傘屋を営んでいるという河合氏。「和傘職人になるにあたって特に劇的なきっかけや使命感があったわけではなく、和傘という存在が常に身近にあったからなんです」と語ります。

小さい頃はしょっちゅう叔父の会社に出入りしていましたが、数年前に人手不足などもあり、「やってみないか」と声をかけられたそう。そして和傘の仕事に本格的に触れ始めて、和傘職人として歩み出した河合氏。 「その後、母が体調を悪くしてしまったため、今は和傘とは関係のない実家の家業を手伝いながら和傘職人として活動しています。全てが自然な流れで、『伝統を絶やしてはいけない』『私が受け継がなくてはいけない』といった気負いはありませんでした」と笑います。

淡々と語る河合氏の口調は、実にナチュラル。和傘の材料の流通や、職人たちの往来を見守ってきた岐阜の清流・長良川のように、ゆったりとした構えが深い懐を感じさせてくれます。

美しい色彩の和傘

ニーズに合わせて「道具としての和傘」をお届け。

河合氏の手仕事は丁寧かつ繊細。「一つひとつの作業を確実にこなして、全ての工程において気を抜かないように心がけています。些細なことで傘が駄目になってしまうので、一瞬一瞬が真剣勝負です」と語ります。

また、「商品かつ道具である傘を作る」ということもモットーとしているそうです。 「いわゆる『作家』ではないので、お客様の要望にはできるだけお応えしています。色・柄・名入れなどのご希望を可能な限り承って、それぞれのお客様に合った和傘を作っているんです。『職人』や『伝統工芸』と聞くとハードルが高く思われるかもしれませんが、手になじむ日用品としてご愛用頂きたいので、ぜひお気軽にお問い合わせください」とのこと。

河合氏が作る和傘は、基本的に1点物のオーダーメイド。特別でありながら身近な道具を堪能することができます。

河合氏の道具を拝見することができます

Data

仐日和
電話:080-9495-1121
※直営店なし・オンラインショップから個人受注
http://kasabiyori.com
オンラインショップ : https://kasabiyori.thebase.in/
販売店:長良川デパート湊町店 住所:岐阜県岐阜市湊町45
電話:058-269-3858
営業時間:10:00-18:00 / 不定休
http://nagaragawadepart.net/

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