文化・マナー・習慣

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マイルで動くアクティブシニア

2024年01月17日

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10年ほど以前にアクティブシニアという言葉を耳にした事がある。定年退職や還暦を迎えても元気で意欲的に活動する高齢者をイメージしたこの言葉。団塊世代を意識したことは言うまでもない。
そこには、経済活性化のためにも持っているお金をなるべく消費に廻してほしいという願いも無視することはできない。そんな時間もお金もあるシニアの間で活発になっているのが旅行だ。大手旅行会社などでは、会員制の旅行サービスやクラブスタイルで、シニアの囲い込みを企画する動きも活発となっている。

だがここへきてポスト段階シニアの中で、リーズナブルな個人旅行へのニーズが増加している。その背景にあるのが、現役時代や日常の買い物などで溜め込んだマイルなのだという。その実態を会社の代表を数年前に退き、ご子息に後を託したというTKさんご夫妻に聞いたみた。

元気に水泳を楽しむシニア世代

ルーティン化したジム通いが元気の秘密

共に、67歳になるご夫妻の日常は、若い世代から見ても驚くほどのハードさだ。「現役を退いた途端に老け込むのが嫌で」そう語るご主人がリタイアと共に通い始めたのが奥様も通う自宅近くのスポーツジム。現役時代もジムは利用していたが、仕事や接待などもあり不規則になりがちだったというご主人、ハードトレーニングの成果もあって先日の体力チェックでは40代の肉体と判定されたとちょっとご自慢そう。奥様はダンス・水泳歴20年とこちらも元気で、私たちがイメージする60代後半とは随分と隔たりがあるようだ。
継続は力なりというが、定期的なジム通いが難しい現役に比べ、時間のあるシニアは通う頻度も高く何より熱心なだけに着実にレベルアップするという。タンパク質を多めに取る食生活やプロテインなどの補助と研究熱心なことも彼らの特徴。ジムに通う仲間を見渡しても健康志向の同世代が増えているそうだ。

スマートフォンでインターネット通販を楽しむシニア男性

元祖IT世代のNETスタイル

シニア=IT系は苦手とイメージしがちだが、実態はだいぶ違うようだ。TK氏が運営する同期生のHPを見せてもらった。お世辞にも今風のデザインとは言えないが開設は20年以上前だという。同期生の利用者は開設当時で500人中の200人、最盛期には400人に迫る程だったというからそのIT精通ぶりが伺える。

「顔を合わせることのある同期生でスマホを持っていない人はいないんじゃないですか。音楽だ、動画サービスだ、SNSだとみんなそれなりに楽しそうですよ」と語るTK氏。
実は、このIT利用がこれまでのシニアとはちょっと違うアクティブシニアならではの特徴だ。
消費行動もアマゾンや楽天など大手のNET通販サービスだけに限らない。
「ファッション系の衣料やシューズは海外のインターネット通販が多いですね。日本よりサイズもあるし、スリム系の多い日本に比べると高齢者的には選択肢は広いものですから」
英語は?という質問には日本語で表示しているサイトが多いし、翻訳ソフトがあれば大丈夫との返答が返ってきた。健康でアクティブな日常を楽しむ様子はわかったが肝心のマイルについての話になかなかいきつかない。

テニスを楽しむシニア男性

旅の味方は趣味感覚で増えるマイル

「誰もが知ってるし、普通のことなんですけどね」と言いながらTK氏が見せてくれたのが航空会社と流通系の会社が提携したクレジットカード。食料品など普段の買い物はもちろん、インターネットでの消費についても全てカード決済が基本だという。以前はいくつものカードを使い分けていたがリタイア後は一枚に集約することでマイルの貯まるペースも一段と向上したという。その他にもオンラインで様々なポイントをマイルに交換できるサービスなどを利用しているとそうだ。
「これが結構趣味になってきて後もう少し、もう少しって」と奥様。お孫さんへのお誕生日やクリスマス、こどもの日のプレゼントもポイントのある無しで決めるほどなのだとか。こうして利用したマイルを利用しての旅行や座席のアップグレード、ラウンジなどに利用しているという。

元気で動ける間にどこにでも行ってみたい、その機会を増やすためにもマイルは便利な手段、元気な時間をより長くするためにも身体のケアは大切だと語ってくれたTKさん。この行動力こそ。新しいシニア市場へのヒントかもしれない。

マイルをためて旅行を楽しみましょう

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