上野で博物館といえば世界文化遺産にも選ばれた国立西洋美術館が有名ですが、何を隠そうこの界隈にはちょっと気になるオモシロ博物館がいっぱいあるんです。そんなどこか懐かしい街角に日本文化を尋ねる東京散歩。上野、根岸、谷中、浅草など下町風情が残る景色の中を歩いて、国際都市東京の意外な横顔を発見してみましょう。
江戸から続く下町風情を体感する 台東区立下町風俗資料館
「出桁(だしげた)造」といわれる立派な軒が大店の風情を伝える町家や狭い路地に囲まれた長屋など江戸の面影を残す東京・下町の街並みを再現したレトロで味わいのある施設です。商家の中には花緒製造卸問屋の作業場や帳場が、長屋にはちゃぶ台に長火鉢などの調度品や生活道具が昔の下町と人々の暮らしぶりを今に伝えます。下町風俗資料館から徒歩20分ほどの台東区上野桜木2丁目には江戸時代から続いた旧吉田屋酒店を移築した下町風俗資料館付設展示場もあります。
台東区立下町風俗資料館
住所:台東区上野公園2番1号
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00までに)
入館料:一般300円、小・中・高校生100円、別途団体割引あり
休館日:月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、年末年始
TEL:03-3823-7451
http://www.taitocity.net/zaidan/shitamachi/
ねこ好きは見逃せない 台東区立朝倉彫塑館
日本の彫塑界をリードした彫刻家朝倉文夫の自宅兼アトリエだった建物がそのまま博物館として公開されています。代表作「墓守」など多くの作品の中でも注目したいのが日当たりの良いアトリエ棟2階でくつろぐ10体ほどの猫たち。愛猫家として知られた朝倉の愛情が伝わってくるような作品です。また作品のハコである彫塑館も国の登録有形文化財。鉄筋コンクリートのアトリエと数寄屋造りの自宅、そして池と緑の日本庭園、さらには屋上菜園と和洋折衷が不思議に調和する空間はぜひ訪れていただきたい価値ある文化遺産です。
台東区立朝倉彫塑館
住所:台東区谷中7丁目18番10号
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00までに)
入館料:一般500円、小・中・高校生250円、別途団体割引あり
休館日:月・木曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、年末年始
TEL:03-3821-4549
http://www.taitocity.net/zaidan/asakura/
あの名作が生まれた町で 台東区立一葉記念館
記念館のある龍泉(旧竜泉寺町)は名作「たけくらべ」の舞台ともなった町。ゆかりの地に立つ館内には処女作「闇桜」原稿や、「たけくらべ」草稿、小説の師半井桃水宛書簡や龍泉寺町で商売を営んだときの「仕入れ帳」等重要な資料が展示されています。また、周辺には「樋口一葉旧居跡」の石碑もあり、一葉文学を愛する多くの人々が訪れます。
台東区立一葉記念館
住所:台東区竜泉3丁目18番4号
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00までに)
入館料:一般300円、小・中・高校生100円、別途団体割引あり
休館日:月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、年末年始
TEL:03-3873-0004
http://www.taitocity.net/zaidan/ichiyo/
中国・日本の書道コレクション 台東区立書道博物館
洋画家であり書家でもあった中村不折(1866-1943)が蒐集した、中国・日本の書道史研究上重要なコレクションを展示する専門博物館です。殷時代の甲骨をはじめ、璽印、石経、墓券、仏像、碑碣、墓誌、文房具、碑拓法帖、経巻文書、文人法書など、重要文化財12点、重要美術品5点を含む東洋美術史上貴重な文化財が収蔵されています。
台東区立書道博物館
住所:台東区根岸2丁目10番4号
開館時間:9:30〜16:30(入館は16:00までに)
入館料:一般500円、小・中・高校生250円、別途団体割引あり
休館日:月曜日(祝休日と重なる場合は翌平日)、年末年始
TEL:03-3872-2645
http://www.taitocity.net/zaidan/shodou/
下町といえば祭り 祭りといえば太鼓 太鼓館
アジア・アフリカ・ヨーロッパ・アメリカ等、世界各国から蒐集した太鼓を一堂に公開する世界でも貴重な博物館。太鼓・神輿・祭礼具の老舗宮本卯之助商店が、世界各国から蒐集してきた太鼓とその参考資料はなんと約900点。いずれもが歴史・文化・民俗学的観点から貴重であるばかりか資料的価値としても世界一級の収蔵品ばかりです。
太鼓館
住所:台東区西浅草2丁目1番1号4階
開館時間:10:00〜17:00
入館料:一般500円、子供(小学生)150円
休館日:月曜日・火曜日(月曜が祝日の場合は開館)
TEL:03-3842-5622
https://www.miyamoto-unosuke.co.jp/taikokan/
まとめ
普段何気なく歩いている町にも、歴史があり、物語があり、その町ならではの伝統や文化があります。あなたの知らなかった東京の魅力、誰かに教えたくなる粋な見どころを探す下町博物館めぐり。 紹介した以外にも皮革産業資料館(台東区橋場1丁目36番2号 台東区産業研修センター内)、大名時計博物館(台東区谷中2丁目1番27号)、池波正太郎記念文庫(台東区西浅草3丁目25番16号)などなど、下町散歩の魅力はまだまだ続きます。
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