
日本の文化は、古いものから順に「飛鳥文化 → 白鳳文化 → 天平文化 → 国風文化 → 院政期の文化 → 鎌倉文化 → 北山文化 → 東山文化 → 桃山文化 → 寛永文化 → 元禄文化 → 化政文化」と並びます。
「歴史」はいつ何が起きたかという出来事の流れ、「文化」はその時代に生まれた建築・美術・文学・芸能などのまとまりを指します。つまり文化の順番は、政治の中心が誰だったか・どこだったかという歴史の流れをそのまま映したものです。
この記事では、旧石器時代から江戸時代までの文化を順番に並べ、それぞれが今どこで見られるのかまでをまとめます。

日本の歴史と文化の流れ|時代順
「◯◯文化」という呼び方が歴史の教科書に登場するのは飛鳥時代からです。
それ以前は、狩りや採集、住まい、土器づくりといった暮らしそのものが文化として扱われます。ここからは時代の順に、それぞれの文化の特徴を見ていきます。
旧石器文化から新石器・縄文文化
旧石器時代は、打製石器を使って狩りと採集で暮らしていた時期です。
やがて縄文時代に入ると、竪穴住居に定住し、貝塚が残るような生活が始まります。縄目の文様が付いた縄文土器や、土偶といった造形物がこの時代を代表する文化です。
弥生文化から古墳文化
弥生時代には大陸から稲作と金属器が伝わり、暮らしが大きく変わりました。
続く古墳時代には前方後円墳のような巨大な墓がつくられ、渡来人によって文字や儒教、須恵器の技術などが持ち込まれます。古墳は今も各地に残り、歩いて回れる史跡公園になっているところもあります。

飛鳥文化
仏教の伝来とともに、日本で最初の仏教文化が花開いたのが飛鳥文化です。
寺院の建築や仏像づくりが盛んになり、中国や朝鮮半島、さらにその先の西アジアの影響も見られます。世界遺産の法隆寺は、この時代の建築と仏像をまとめて見られる場所です。
白鳳文化
大化の改新から平城京に都が移るまでの時期の文化です。
仏像彫刻や古墳の壁画にすぐれたものが多く、高松塚古墳やキトラ古墳の壁画がよく知られています。初唐の影響を受けた若々しい表現が特徴とされます。
天平文化
奈良時代、平城京を中心に広がったのが天平文化です。
国家が仏教を保護したため大きな寺院や仏像がつくられ、唐との交流によって国際色の強い品が日本に入ってきました。東大寺の大仏や正倉院に伝わる宝物が代表例で、『古事記』『日本書紀』『万葉集』といった書物もこの時代にまとめられています。
平安時代(国風文化)
遣唐使が止まったあと、唐の様式をかみくだいて日本らしさを育てたのが国風文化です。
かな文字が広まり、『源氏物語』『枕草子』といった文学が生まれました。阿弥陀堂の建築では平等院鳳凰堂が代表で、十円硬貨の絵柄としても親しまれています。

この時代に大陸から伝わったお茶も、のちに日本独自の茶の湯へと育っていきます。お茶の歩みは日本のお茶の歴史と茶道の記事でくわしく紹介しています。
院政期の文化
平安時代の終わりごろ、上皇が政治を動かした院政期にも独自の文化が生まれました。
都の文化が地方の有力者にも広がり、各地に阿弥陀堂が建てられたのがこの時期の特徴です。平泉の中尊寺金色堂はその代表としてよく挙げられます。絵と文を交互に見せる絵巻物も盛んになりました。
鎌倉文化
武家が政治の中心になったことを映して、力強く写実的な表現が目立つのが鎌倉文化です。
東大寺南大門とその金剛力士像は、この時代の彫刻の迫力を今でも間近で見られる例です。写実を重んじる空気は絵画にも広がりました。
同じころの絵画としてよく知られる作品については、鳥獣戯画の作者と日本最古の漫画といわれる理由もあわせて読むと流れがつかみやすくなります。
室町文化(北山文化と東山文化)
公家の文化と武家の文化が混ざり合ったのが室町文化です。教科書では、前半を北山文化、後半を東山文化と呼び分けます。
北山文化は三代将軍のころの華やかな空気を映したもので、金閣が代表です。東山文化は八代将軍のころの簡素で落ち着いた美しさを表し、銀閣や書院造、水墨画、茶の湯、生け花がこの流れから広がりました。
どちらも京都で今も見学でき、金閣と銀閣を同じ日に回って空気の違いを比べる人も多い場所です。
東山文化から育った「簡素なものを美しいと感じる感覚」は、のちの日本人の美意識の土台になりました。考え方の中身はわびさびとは?侘び寂びの意味と漢字の由来で解説しています。
安土・桃山文化
戦国の世を勝ち抜いた大名と、力を付けた豪商が担ったのが安土・桃山文化です。
天守を持つ城、金をふんだんに使った障壁画など、豪華で堂々とした作風が特徴です。この時期に茶の湯が大成され、のちの歌舞伎につながる芸能も生まれました。姫路城のように、当時の城の姿を今も見られる場所があります。
寛永文化
桃山文化の勢いを受け継ぎながら、江戸時代の初めに整えられたのが寛永文化です。
幕府や大名が担い手で、豪華な装飾と落ち着いた造形が同時に見られるのが特徴です。日光東照宮の装飾や、桂離宮の書院造がこの時期の例として挙げられます。
元禄文化
17世紀の終わりから18世紀の初めにかけて、上方(京都・大坂)で栄えたのが元禄文化です。
担い手は町人で、人形浄瑠璃、浮世草子、俳諧、浮世絵など、生活に近い題材をあつかう表現が広がりました。経済的に豊かになった町人が、自分たちのための娯楽を持ち始めた時代です。
化政文化
19世紀の初め、江戸を中心に広がったのが化政文化です。
皮肉や笑いをまじえた川柳・狂歌が流行し、風景を描く浮世絵や長編の小説が人々に親しまれました。旅が庶民の娯楽になった時代でもあり、名所を描いた浮世絵は今の旅行ガイドのような役割も果たしていました。

日本の歴史と文化の順番|一覧表と覚え方
日本史 文化 順番の一覧表
ここまでの流れを一覧にまとめます。
テストや調べ物で順番を確かめたいときは、この表の上から下へたどってください。右の列には、その文化を今も見に行ける代表的な場所を入れています。
| 順番 | 文化の名前 | おもな時代 | 今どこで見られるか(代表例) |
|---|---|---|---|
| 1 | 縄文文化 | 縄文時代 | 各地の遺跡公園・郷土資料館の縄文土器や土偶 |
| 2 | 弥生文化 | 弥生時代 | 環濠集落の復元施設、銅鐸などの出土品展示 |
| 3 | 古墳文化 | 古墳時代 | 前方後円墳の史跡、埴輪の展示 |
| 4 | 飛鳥文化 | 飛鳥時代 | 法隆寺(世界遺産) |
| 5 | 白鳳文化 | 飛鳥時代の後半 | 高松塚古墳・キトラ古墳の壁画展示施設 |
| 6 | 天平文化 | 奈良時代 | 東大寺の大仏、正倉院の宝物(正倉院展) |
| 7 | 国風文化 | 平安時代の中ごろ | 平等院鳳凰堂 |
| 8 | 院政期の文化 | 平安時代の終わり | 中尊寺金色堂(平泉)※要確認 |
| 9 | 鎌倉文化 | 鎌倉時代 | 東大寺南大門と金剛力士像 |
| 10 | 北山文化 | 室町時代の前半 | 金閣(鹿苑寺) |
| 11 | 東山文化 | 室町時代の後半 | 銀閣(慈照寺)、書院造 |
| 12 | 桃山文化 | 安土桃山時代 | 姫路城などの天守、障壁画 |
| 13 | 寛永文化 | 江戸時代の初め | 日光東照宮、桂離宮 ※要確認 |
| 14 | 元禄文化 | 江戸時代の中ごろ(上方中心) | 人形浄瑠璃・歌舞伎の公演、浮世絵の展示 |
| 15 | 化政文化 | 江戸時代の後半(江戸中心) | 風景画の浮世絵の展示、旧街道の宿場町 |
文化 順番の覚え方
文化の名前は、だいたい「都があった場所」か「将軍や元号の名前」から付いています。そこに注目すると順番を取り違えにくくなります。
飛鳥・白鳳・天平は都の名前(飛鳥・藤原・平城)とともに動き、国風と院政期は平安京の前半と後半、北山と東山は将軍の住まいがあった京都の地名、桃山・寛永・元禄・化政は元号から来ています。
つまり「都の名前 → 平安の前後 → 京都の地名 → 元号」という4段階で区切ると、15個を丸暗記しなくても順番を思い出せます。
あわせて読みたい:黎明期とは?日本史でいう黎明期の日本列島はいつからか
時代背景を色濃く残す日本の歴史と文化
こうして並べてみると、どの文化もその時代の政治や社会の都合から生まれていることが分かります。
大陸から入ってきたものをそのまま受け取った時期、受け取ったものを日本の形に作り替えた時期、担い手が貴族から武家へ、さらに町人へと移っていった時期。文化の順番は、そのまま日本の歴史の順番でもあります。
そして、ここで生まれた建築や芸能の多くは今も残っていて、旅先で実際に見ることができます。昔の出来事として覚えるより、見に行ける場所と結び付けて覚えた方が記憶に残りやすいはずです。
歴史と文化はどの順番で生まれたのか
日本の文化は「飛鳥 → 白鳳 → 天平 → 国風 → 院政期 → 鎌倉 → 北山 → 東山 → 桃山 → 寛永 → 元禄 → 化政」の順に生まれ、その前に縄文・弥生・古墳の暮らしの文化があります。
名前の由来が「都 → 平安の前後 → 京都の地名 → 元号」の4段階で変わると覚えると、順番を取り違えにくくなります。
気になった文化が見つかったら、表の右の列にある場所をそのまま次の旅先にしてみてください。
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