文化・マナー・習慣

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江戸の歴史と伝統が育てた出前文化

2018年10月04日

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忙しい時やいつもと違うものが食べたいと思った時、電話やサイトですぐ頼める出前やケータリングサービス。この便利なシステム、最近始まったものではない。すでに、江戸時代の庶民の間では生活に欠かせない仕組みとして定着していた。
時代劇ドラマなどで、魚屋が桶のようなものを棒の左右にぶら下げてやってくるシーンを見たことはないだろうか。あれこそデリバリーの元祖。朝どれの魚介類や野菜などを売り歩く光景は、江戸の物売りとしてお馴染みのものだった。

デリバリー&ファストフードは江戸のコンビニエンス

また、急速に発展した江戸の町は、地方からの明日を夢見て働きに来る人々も多かった。仕事も建設や土木など肉体労働が主流とあって人口構造は、女性が極端に少ないいびつなものだったと伝えられている。事実、長屋の住民などにも妻帯者は少なかったようだ。吉原が男性の憧れだったことも女性不足と深く関わっている。

独身男性の多いこの新興都市の需要を満たすように発展してきたのが外食産業だ。加熱調理をした食品を移動販売する煮売屋、蕎麦や寿司、うなぎなどの多くも屋台で販売されるものだった。これなどは今で言うファストフードといったところ。客が出向くのではなく、店の方から来てくれるこの出前サービスこそデリバリーシステムの原点。当時の街なかを描いた絵を見ても、いなり寿司の入った桶を担いで売り歩く人、しじみ売りや野菜売り、夜鳴きそば、中には水を売り歩く人さえいた。食材・調理品・完成品と幅広く対応する様子は、コンビニ以上にコンビニエンスだ。 最近では、食育の観点からファストフードやコンビニ食品を問題視する声もあるが、江戸の町で現代以上にファストフードや出前が隆盛を極めていたことはちょっと面白い発見と言えるだろう。

江戸時代のデリバリー

交通渋滞?それなんですか?のドローン出前

サザエさんに登場する三河屋さんをイメージして欲しい。
あの御用聞きという、訪問受注システムも普通の光景として町の生活に溶け込んでいた。三河屋さんに代わる存在といえばネット通販もそのひとつ。電話やクリックひとつで希望の商品が届く現状は、出前文化全盛の江戸時代の住民も驚きの光景に違いない。

特に様々な出前の注文にワンストップで対応してくれる宅配ポータルサイトは、携帯電話の普及とともに爆発的人気を得てきた。大勢で集まる時や好みが分かれる時などは、ピザ・中華・寿司・丼ものなどを一括発注、まとめて配送してくれるあたりも利用者にとってはメリット。今では、通常の宅配から、花見の席や海辺でのバーベキューなど屋外での利用も当たり前の光景となっている。

配達するドローン

この出前サービス、次のトレンドはドローンなどの無人配送が予想されるところだ。2018年6月現在、BBCニュースで「ドローンによる食事のデリバリーをレイキャビクで拡大」としてアイスランドが報道されていた他、日本をはじめ世界各国でデリバリー無人化への試行錯誤が続けられている。日本政府も2030年ごろまでにモノの輸送や配送を完全無人化する技術を確立するとの予定を打ち出しているが、出前先進国・ロボット先進国としては、もう少し早くと期待したいものだ。
渋滞による遅延の解消やコストの軽減など多くのメリットを有するドローンなど無人出前への期待は大きい。

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