京都で舞妓さんの格好をして街を歩いたり、小樽でガラス細工の講習を受けたり、焼き物の里でお手製の器作りに挑戦したり。日本の文化を体験するイベントって、色々と楽しそうなものが揃っていますよね。
大陸から離れた島国という環境を持つ日本では、海外から入ってきた文化をベースに、独自の解釈で創意工夫を凝らしオリジナルの魅力を生み出してきたものづくりの国でもあります。手に入らないものは自分で作ってみる。そんなDIY的発想こそ、もしかして日本文化の原点?そういえば先日見たTVの情報番組でも、今や女子の間でDIYが大人気なんて特集がありましたよ。
海に囲まれた日本ならではの伝統。塩作りにチャレンジ!
身の回りの道具に限らず、“自分で作る”は魅力的なキーワード。お手製なんていうと愛着も湧くし、誰かにプレゼントというのもいいですよね。
今回タビノト。がご紹介するのは、これがないと料理にならないあの味。そう、塩ですよ、オ・シ・オ。な〜んだ。塩なの。あ〜っ、その反応とんでもない。海と山、南北に長い地形に恵まれた日本は、四季折々の素材と繊細な包丁の業が鍛えたグルメの国。世界から注目されている和食の基本も塩で決まるのです。
私たちが普段、口にしている塩は、海水などを精製して塩分だけを抽出した精製塩と自然塩に分けられます。日本で古くから使われていたのは、塩田などで手間ひまかけて作られたミネラルたっぷりの海水塩。国内では伝統的な塩の製造を一時期規制していましたが、1997年の規制緩和から、再び流下式塩田や揚浜式塩田といった昔の製法で塩が製造されるようになりました。
精製塩に比べて、まろやか、甘みがあるとも言われる塩田で作られた塩は、ネイチャリストだけでなく、グルメの間でも大評判です。
自然塩ブームもあってか愛知県、兵庫県、岩手県など伝統の塩作り体験ができる施設は全国各地に広がっています。
その中から、比較的手軽に参加できる施設から、本格的な塩田体験まで、いくつかのコースを紹介してみましょう。
全国各地で楽しめる塩作り体験
吹上浜渚のあま塩館
吹上浜の沖合いから汲んだ海水を、煮沸濃縮と、ろ過を繰り返し、昔ながらの手法で塩を精製します。
■住所:鹿児島県日置市吹上町入来4099
■体験料:1人1,000円
■入館料:大人(高校生以上)200円、子ども(小中学生)100円
■TEL:099-296-4747
https://www.city.hioki.kagoshima.jp/kanko/kankou/asobu/outdoor/shiozukuri.html
赤穂市立海洋科学館・塩の国
塩分濃度を濃くした海水(かん水)を、小さな土鍋で煮立たせて塩をつくる体験です。 体験は無料(入館料のみ)
■住所:兵庫県赤穂市御崎1891-4
■入館料:大人(高校生以上)200円、子ども(小中学生)100円
■TEL:0791-43-4192
http://www.ako-kaiyo.jp/about/
道の駅すず塩田村
■住所:石川県珠洲市清水町1-58-1
■大人2,000円 小人1,000円
■TEL:0768-87-2040
http://enden.jp
西尾市塩田体験館 吉良饗庭塩の里
砂と海水を塩田に撒く、乾燥させ濃い海水を抽出、そして塩焼きと、吉良入浜式塩田による一連の塩作りを体験する本格コースです。
■住所:愛知県西尾市吉良町白浜新田宮前59-1
■体験料:大人(高校生以上)500円 子ども(小中学生)300円
■TEL:0563-32-3373
http://www.aibajio.jp/MPb5kZ
岩井崎塩づくり体験館/塩づくり体験
仙台藩御塩場としての歴史を持つ伝統の自然塩づくりを体験します。
■住所:宮城県気仙沼市波路上岩井崎3-2
■料金:500円
■TEL:0226-27-5410
http://miyaumi.info/search/page9.html
岩手県下閉伊郡田野畑村
江戸時代から続く「直煮(じきに)製法」は、薪をくべながらぐつぐつと海水を煮詰める素朴な塩作り。漁師の間で伝えられた伝統の手法です。
■住所:岩手県下閉伊郡田野畑村机142-3
■料金:
・通常体験コース:(1時間)/2,500円(2人以上)
・本格体験コース:(約7時間)/7,000円(2人以上)
■TEL:0194-37-1211
http://www.tanohata-taiken.jp
塩のおもしろさはまだまだ深い
ミネラル豊富な自然塩は、海からの贈り物。塩作りの伝統は、日本人が海との対話の中から築き上げてきた大切な日本文化の一つです。自分の手で塩を作るという貴重な体験を通して、日本の味覚の素晴らしさを再発見してみてはいかがでしょう。
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