文化・マナー・習慣

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日本伝統の文化が目指した海外というブルーオーシャン

2019年03月06日

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インターネットをチェックしていたら気になるニュースを見つけてしまいました。
歌舞伎座幕の内弁当などを販売する歌舞伎座サービス株式会社が、海外通販モール「ZENMARKETPLACE」にオフィシャルショップをオープンしたというのです。扱う商品はというと歌舞伎座オリジナル商品である、くまどりデザインのTシャツやパズルなどのオリジナルグッズ。この新展開の背景にあるのは海外向けSNSを使ったKABUKIの情報発信。海外からの観光客獲得と世界を視野に入れた歌舞伎ファン層の拡大が歌舞伎界発展への課題といったところでしょうか。

海外で歌舞伎?と??マークの団体を頭上に浮かべる方もいるかも知れませんが、論より証拠。東銀座の歌舞伎座雷門と並ぶ外国人観光客の人気スポット。衣装や所作にしてもヴィヴィッドな色合いやデフォルメされた動きが新鮮だというのです。また、日本語がわからなくとも怒りや喜び、どれが悪役で、どれが正義の味方かなど見ているだけでなんとなく伝わってくるというのも外国人受けする理由の一つです。それにしても日本固有の文化、歌舞伎がなぜ?という疑問は残りますよね。そんな気になる歌舞伎の周辺を調べてみました。

東銀座の歌舞伎座は雷門と並ぶ外国人観光客の人気スポット

ラップにも通じる自由で強かな精神こそ歌舞伎の原点

日本の伝統芸能として海外公演でも常に高い評価を得ている歌舞伎。その始まりは出雲阿国に‥‥というのはあまりにも有名ですが、歌舞伎は決してその誕生時から芸術と評価されたものではありませんでした。むしろアバンギャルドな風紀を乱す存在とされていたのです。例えてみれば創成期のジャズ、1970年代あたりのラップと同じ様なパートですね。これは新興の風俗が認知への段階を駆け上がっていくための試練。どんなアートもスタート時から評価されるようなことは無いのです。
その証拠にエロティックなシーンが話題となった遊女歌舞伎若衆歌舞伎は弾圧を受け、幕府により禁止されてしまいました。
その流れを受けて誕生したのが出演者を男性に限定した現在のスタイルの歌舞伎です。禁止されても形を変えて復活するあたりなかなかに強かですよね。この反骨精神こそ歌舞伎の真骨頂なのです。

江戸のYouTube

その後も、当時の世間を騒がせた大事件などをリアルタイムでお芝居に仕立てるなど、“話題には乗り遅れたくない、早く知りたい”という江戸庶民の先走った好奇心に応えることで時代の先端を進んでいったのです。
ですから、今、舞台の上で演じられているお芝居、例えば「仮名手本忠臣蔵」などは今で言えば当時の社会を大混乱に巻き込んだテロ事件を題材にしたもの。今の言葉に置き換えると再現ドラマでしょうかね。その他にも当時の流行や風俗をお芝居の中に巧みに取り込むなどで人気を得てきたのです。映画やテレビやYouTubeのパートをひとつで受け持っていたメディアと考えれば理解が早いですね。
あの衣装のデザインや隈取りメイクも観客に情報を明確に伝えるための舞台装置と考えればよくわかりますね。

当時の世間を騒がせた大事件などをリアルタイムでお芝居に仕立てる

フットワークの軽さは歌舞伎の伝統

一見すると昔から続く、おじいちゃんおばあちゃんの趣味とも見える歌舞伎ですが、その本質は最先端を目指すなんでもアリの世界。隈取り(くまどり)と呼ばれる独特のメイクも、見ようによってはタトゥーのようだし、衣装にしても派手づくし、そういえばアニメを題材にした演目なんかもありましたよね。
「でもそれ無理して若い世代に迎合してるんじゃない」
あのね、それでいいんですから。なんのてらいも遠慮もありません。むしろウケ狙いが歌舞伎の本質。受けるためなら宙乗りだろうが、なにこれっていうパフォーマンスまで、なんでもありが歌舞伎の本質なんです。
だってあの歌舞伎座にしてからが、一階こそ、昔ながらのデザインをトレースしていますが、その背後にはあの高層ビル、しかも空中庭園まである遊び心なんですから。

海外市場を視野にいれたネット展開でさらなる飛躍を狙うなど歌舞伎業界にとっては400年前からやっていることの単なるアレンジなのかもしれませんね。

なんでもありが歌舞伎の本質

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