外国人、中でもアジア系の方たちのツアーといえば以前はショッピング系がメインでしたが、ここへきて随分と様子が変わってきたようです。あれほど賑わっていた銀座の某家電ショップも、2018年には閉店してしまいましたしね。それでも訪日する外国人は増える一方。では日本に何を求めてきているのかというと、これが乱暴に言いきってしまうと体験らしいのです。古い言葉に“衣食足りて礼節を知る”とありますが、こちらはさしずめ物欲満ちて体験を求むといったところでしょうか。
では、具体的にどんなツアーや体験が人気なのかちょっと見てみることにしましょう。
定番人気はやっぱりアレ ドロンドロンッパ!
茶道や華道、歌舞伎など日本文化を真面目に学ぶツアーももちろん大人気なのですが、日本といえばサムライ、ニンジャのイメージは強烈。忍者の聖地、伊賀で修行した本物の忍者が教える本格的な忍者修行が人気となる一方、大阪には吹き矢や手裏剣の体験ができる忍者体験屋敷がオープンするなど観光忍者も増殖中。一方、体験に飽き足らずより本格的な忍術や古武道を目指す外国人も増えている。特徴的なのはこれまで主流だった欧米系に加え、近年ではアジア・アフリカなど様々な民族国籍の人々が忍者という日本伝統の技術体系にあこがれを持っているというところです。三重県伊賀市にある忍者博物館によれば入館者にも外国人、特に最近では東南アジアからの観光客が目立っているそうだ。
地元気分で風を切って 颯爽と
エコロジカルというわけでもないでしょうが、自転車なんですよね人気なのは。外国人観光客が訪れるマチといえば必ずあげられるのが東京と京都のツートップ、その両方で話題になっているのが自転車によるサイクルツアーです。もちろんガイド付きで観光名所や地元っ子おすすめのスポットを軽快に。自転車なら渋滞とも無縁だから余計なストレスもなし、おまけに健康も自動的についてくるといい事ずくめ。ツアーの詳細申込みは京都ならCycle Kyoto(http://www.cyclekyoto.com/home-japanese)、東京は東京みらくるサイクリングツアー(http://www.tokyobiketrip.com/ja/)、Bicycle Tours Tokyo※(http://www.bicycletourstokyo.com)、大阪Cycle Osaka※(https://www.cycleosaka.com)でどうぞ。
点から点へとスポットを移動するのではなく、マチの風や通りの風景、川や橋、町々の個性を感じながら地元の人になった気分で、そんな気持ち分かるじゃないですか後から写真を見ながら「そうそうブルックリンのこの通りの奥にあるお店が素敵なんだよね」なんてね、ちょっと地元っ子風に。
※Bicycle Tours Tokyo、Cycle Osakaは英語サイトです
永遠の憧れ それは美しさ
日本の美容技術は世界でも高く評価されています。ドラッグストアの化粧品コーナーは外国人のお客さんで大賑わいですものね。そして化粧品の次に注目されているのが日本のヘア、ネイル、エステなど美容系サロンの体験ツアーというわけです。
一例をあげると中国系女性に大人気なのが中国人旅行客向け美容ポータルサイト「ビューティーパークチャイナ」です。このポータルサイト、最新の日本のヘアサロン情報、ネイルサロン情報、エステサロン情報、マツエクサロン情報、リラクゼーションサロン情報、コスメ情報の発信からサロン体験予約のサポート、中国の旅行会社と提携した美容体験ツアーや美容業界専用多言語サービスなど至れり尽くせりの多機能ぶりで大盛況となっています。ところで街で見かける中国系観光客の女性たち、なんだか若くて美しい人が多くなったように感じませんか。一緒に歩いているパートナーの男性はというと、失礼な言い方ですがちょっと不釣り合いにも見てとれます。この傾向男性の経済力に比例して美人が集まるという資本主義社会の原則を表しているように見えなくもありませんね。つまり彼女たちは中国の新しい富裕層。経済力も情報も手に入れた新しい世代に違いありません。そのニーズにどう対応していくべきか。そのへんにインバウンドビジネスの次なるヒントがありそうですね。
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