文化・マナー・習慣

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京都京都京都 世界文化遺産を旅する観光ガイドその3

2023年11月09日

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京都で日本を再発見

日本文化を代表するキラーコンテンツといえば誰がなんと言おうと京都なのです。なのですが、こと人に関してはマイナスイメージで語られることも少なくありません。いわく「ぶぶ漬け(お茶漬け)どうどす」と言われたら帰れというサイン、元気がええなぁはうるさいの同義語、同様にお上手、きれい、お似合いなども言葉通りに受け取ってはいけないなどなど。外面は良いけれど心のうちでは何を考えているかわからない。それが世間(京都以外)からみた京都人のイメージ。この指摘、欧米人が抱きがちな日本人的イメージに似ていませんか。気になる言動を婉曲な言い回しでそれと言わずに相手に知らせる極めて日本的なコミュニケーションのスタイル。そう解釈すると良くも悪くも京都とは日本文化の原点なのかもしれない、そう思わざるにはいられないのです。 文化と国民性には密接な関係があります。京都の文化を知ることは、そのまま日本を再発見することでもあるのです。

こう見えて、京都は意外や新しもの好きの町

世界文化遺産古都京都の文化財は、京都府京都市、宇治市、滋賀県大津市に点在する17資産から構成されています。このうち京都市にあるのは清水寺、鹿苑寺(金閣寺)、龍安寺など14資産。いずれも各時代の建築様式や庭園様式を代表する存在で、周辺の自然環境と調和した景観は日本文化の象徴としてふさわしいものとされています。 私達の目にはどれも古いお寺や神社に見えます。そこでなるほど、京都は古い町だと思うのはちょっとはやとちり。小説家の小松左京氏は作品の中で、京都は常に時代時代の最先端のモノを追い求めてきた町。たまたま時代を経過して古く見えるだけという説を唱えています。そういえば京都人は古いものも大切にしますが、新しいものも大好き。食べ物にしてもパンやコーヒー、フレンチにイタリアン、中華とグルメぶりもグローバル。新しい文化を柔軟に取り入れ、自分のものとするすべにも長けているのです。これが洗練された文化でなくてなんでしょう。理科系ノーベル賞受賞者23名中、京都大学卒業が7名、他大学出身の京都大学教授2名計9名もの人材を排出しているのも自由な精神を尊重する京都ならではの特徴ではないでしょうか。

京都を楽しむなら、大事なのはコミュニケーション

先程、京都人意地悪説を紹介しましたが、こちらが常識をわきまえた対応をしていれば、そんな反応にあうことはあまりないでしょう。筆者は京都で道案内をお願いしとても親切に対応して頂いた経験があります。(あまりにも丁寧過ぎて恐縮するほどでしたが…)そう、笑顔を教えていただくという姿勢さえきちんと伝われば京都の人はあなたが思っている以上に親切な対応で返してくれるのです。この歴史と伝統に磨かれた都会人的センスを楽しまずに京都を観光するなんてもったいない話です。どんどん積極的に地元の人とコミュニケーションを楽しんでみましょう。ただし、基本的なルールを忘れてはいけません。例えば、話しかける前に笑顔のアイコンタクトとこんにちは・こんばんは等の呼びかけを、仕事をしている人や忙しそうな人の邪魔をしない、丁寧にお願いする、失礼な態度を取らない。教えてもらうという気持ちをもって相手に接することが大切です。なにしろ向こうは1000年に渡るもてなしの達人揃いなのですから。こちらがきちんとしたコミュニケーションのルールさえ守っていれば大丈夫。 そんな出会いがあってこそ、世界遺産や文化財を見る目も、その伝統を育んだ京都という文化背景を含めた視点に変わってくるというものです。景色も建物もただそこに古くからあるだけで、文化となりえるものではありません。人の営みや受け継がれた精神があってこその文化遺産なのではないでしょうか。

自転車で巡る京都世界遺産旅

京都観光といえばツアーへの参加以外は、バス便がメインの交通手段となります。でもこれはこれで大混雑、渋滞で予定が狂ってしまうことも珍しくありません。そこでオススメしたいのがレンタサイクルの利用です。碁盤の目と称される京都の街路は、コツさえ掴んでしまえば現在地、目的地の位置関係もわかりやすいもの。京都駅から出発して東寺、西本願寺を経由して二条城へ。自転車走行可能な遊歩道も整備された鴨川沿いから少しそれて清水寺、銀閣寺、再び鴨川に戻って下鴨神社、上賀茂神社へ。金閣寺、龍安寺、仁和寺を巡る「きぬかけの路」から嵐山方面の天龍寺へ。途中の町並みや気になるスポットへ気軽に立ち寄れるのも自転車ならではの楽しさ。世界遺産+京都文化をまるごとエンジョイしてみましょう。

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