日本の食

日本の食

おいしいと素直に言える贅沢

2023年12月13日

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生きるためではなく、美味しく食べるために。私たちの祖先は食物連鎖のサイクルから一人抜け出すように、食の文化を発展させてきました。その中でもお菓子は、特別な日などのために洗練を重ねてきたハレの食べ物です。
人類は長い歴史の中でそれぞれに固有の菓子文化を発展させてきました。
現在、和菓子と呼ばれている日本の菓子文化が始まったのは平安時代から奈良時代にかけての頃とされています。
当時の食生活や経済状態を考えると庶民とは程遠い上流階級だけに許された楽しみだったことも想像がつきますね。

、ソフトな色合いのカラーコーディーネートで日本の自然や季節を表現した和菓子

こだわらない しがみつかない 日本の伝統

目で楽しみ、舌で味わうと言われるほど、ビジュアルを大切にする日本料理の世界。その心は和菓子にも受け継がれています。季節の花、栗、柿などの果実、自然の生き物、長寿の象徴をかたどった亀や鶴など、ソフトな色合いのカラーコーディーネートで日本の自然や季節を表現した美しさは、食べる芸術と称されるほどです。
和菓子の発展と関係深いのが鎌倉時代に中国から伝わり、日本で独自の発展を遂げた喫茶文化。お茶と和菓子はこのころから切っても切れない関係になりました。
日本の文化を指して、海外からのモノやコトを積極的に取り入れ、オリジナルなものに加工することからアレンジの文化と称することがあります。例えば外来のお菓子だったカステラも今や立派な和菓子のひとつ。 日本の甘みの代表でもあるアンコと外来のパンを組み合わせたアンパンも立派なアレンジ文化の産物。このように素材や手法の探求を怠らない柔軟なものづくりの心こそ、和菓子の特長といえるのかも知れません。

日本の代表的な和菓子「和三盆」

ダイエットの合間も和菓子で満足

糖質制限がダイエットの主流になっているようです。
でもご飯やパン、パスタ系は減らしてもスィーツだけは別腹ということに…
そんな時、罪悪感が少ない上に満足できてしまう都合の良いスィーツの代表が和菓子ではないでしょうか。
バターやクリームなどを使う洋菓子に比べ、甘さはそこそこ、カロリーだって控えめ。その甘さにしても和菓子に使われる砂糖として有名なのは和三盆。
名前の通り「盆の上で砂糖を三度“研ぐ”」と称されるほど手間暇をかけた精糖工程から生まれるおいしさは、グラニュー糖に比べカロリーも低く、味わいも上品。ダイエット&健康志向のスィーツ好きを満足させる伝統の食文化です。

和菓子の小宇宙

和菓子の小宇宙を巡る小さな旅へ

日本的なセンスのあり方、アイデンティティをコンパクトに表現する和菓子の世界。
その歴史や文化に触れる貴重な体験として、是非足を運んでもらいたい東京、京都の施設をご紹介します。

Data

虎屋 赤坂ギャラリー

2018年10月1日とらや赤坂店地下1階にリニューアルオープン。
和菓子や日本文化を発信する企画展やイベント、虎屋文庫による資料展の開催などを予定。第1回の企画展として、およそ450点に及ぶ羊羹のデザインを展示する「とらやの羊羹デザイン展」が10月1日(月)から12月30日(日)の期間で催されます。

住所:東京都港区赤坂4-9-22

京菓子資料館「龍宝館」

和菓子の老舗、俵屋吉富が運営する資料館。
京菓子づくりに使われた小道具や御所御用の資料、古文書、容器などに加えて、京菓子界の後進の指導に情熱をそそいだ京菓匠・留治郎翁の作品とその関係の品々を展示しています。1階の茶室ではお茶も楽しめます。

住所:京都府京都市上京区烏丸通上立売上ル柳図子町311-2」
入館無料:(お茶席ご利用の場合のみ700円)

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