文化・マナー・習慣

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お正月から大晦日まで日本のおいしい行事食

2023年10月29日

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日本の1年は1月の元旦にはじまり、12月の大晦日まで様々な季節にちなんだ行事が執り行われます。私たち日本人はごく当たり前のこととして捉えていますが、この行事ごとに戴くバラエティ豊かなお料理も伝統や文化の為せる技。今日はそんな日本の行事と食の関係についてお話してみましょう。

おせち料理は保存食?

行事食の代表といえばやっぱりお正月のおせち料理ですね。百貨店やホテル、有名レストランや料亭などのおせち料理もインターネットで簡単に予約できるようになりました。それにしてもおせち料理ってなぜあんなにたくさんあるのでしょう。その答えは手抜きのための盛りだくさん。諸説ありますが、お正月の間はくらいは火を使わずそのまま食べられるもので家事の手を休めましょう。というのが有力なところ。おせち料理の味が濃い目に作られているのもそんな保存食としての理由があるからです。

コンビニ?それともお寿司屋さん? 人気定着の恵方巻き

節分にその年の恵方を向いて無言で頬張ると縁起が良いとされる恵方巻き。 コンビニやスーパーでもおなじみになりましたね。昔からの大阪の風習説や大阪の海苔屋さん考案説などもありますが、起源ははっきりとはしていません。近頃は豆まきはやらないけど、恵方巻きだけはという家庭も多いようです。手間がかからないのも主婦にとってはうれしいところ。

おはぎと呼んでますか? それともぼた餅?

3月の桃の節句にはチラシ寿司とはまぐりのお吸い物、そして白酒・雛餅・ひなあられ。5月の端午の節句には柏餅が定番ですね。 暑さで参ってしまいそうな夏、土用の丑の日にうなぎを食べる習慣は平賀源内考案のうなぎ拡販キャンペーンというのは有名なお話。そういえば、お彼岸に食べるアレ。ぼた餅と呼んだり、おはぎと言ったり、どちらが正しいんでしょう。答は春と秋で同じものの呼び名が変わるだけ。春のお彼岸では小豆の粒を萩の花に見立てて「お萩」、秋のお彼岸には牡丹の花に見立てて「牡丹餅」と呼んだのだそうです。 涼しさも増す秋は名月の季節、9月十五夜は有名ですが、10月も十三夜という名月を愛でる風習があります。どちらも戴くのは月見団子と栗ご飯。美味しい日本の秋の味です。11月は幼子の成長を願う七五三。千歳飴というネーミングには千年も続くほど長く生き続けて欲しいという親心が込められているそうです。

大晦日には年越しそば

日本列島の東はそば文化圏、西はうどん文化圏、中間の愛知県はきしめん文化圏というのはあまりにも良くできた話ですが、年越しそばだけは一部を除き全国共通の習慣のようです。なぜうどんではなくそばかははっきりとしていません。他の麺に比べ切れやすいそばを年の終わりに食べることで1年の災厄を断ち切る説、細く長いそばで長寿を願う説、金銀細工師が年末にそば粉の団子で仕事場の床から金粉銀粉を集めたことから縁起物として定着した説などが有力視されていますが、江戸で生まれた習慣なことは確かなようです。

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