文化・マナー・習慣

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観光をする意味とは?メリットや歴史について解説

2024年02月20日

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知らない場所を訪れ、名所・名跡を巡る観光。地域名物の食事やスイーツを味わいながら非日常を体感すると、日頃のストレスを忘れ気分がリフレッシュしますよね。普段何気なく楽しんでいる観光ですが、そもそも観光する意味とは一体何なのでしょうか?そこでこの記事では、観光をする意味やメリット、日本における観光の歴史についてご紹介します。

観光をする意味

観光という言葉を聞いて何を思い出しますか?やはり、「日帰りや泊りで旅行に行くこと」や「地域の名所やお祭りなどを見ること」などを想像する人が多いのではないでしょうか。しかし、観光という言葉の意味を辿ると、私たちの想像とは若干異なることが分かりました。

観光という言葉の語源は、中国・易経の一説「国の光を観る、もって王に賓たるに利し」であるといわれています。この一説は、国が長く栄えるために、王が国の光(威光・素晴らしい場所)を視察するという意味です。国の素晴らしい場所を巡るという点では現在の観光と同じですが、娯楽的な意味を持つ言葉としては用いられていませんでした。

現代における観光をする意味とは、大きく分類すると「人生を豊かにする」という言葉に集約されるでしょう。細分化すれば、家族や社員、友人間の親睦を深める意味、修学旅行や社会科見学など学校全体で学習を兼ねて生徒間の交流を図る意味、楽しんでリフレッシュする意味、知見を深める意味などに分類されます。

1995年、日本では観光に関して「余暇時間の中で、日常生活圏を離れて行う様々な活動であって、触れ合い、学び、遊ぶということを目的とするもの」と定義しました。その後、「ビジネス、レジャーあるいはその他個人的な目的で、1年未満の期間、非日常圏に移動する旅行者」と追記しています。

また、UNWTO(国連世界観光機関)では観光をツーリズム(巡回や周遊を行う)と捉え、「レジャー、ビジネス、その他の目的で、連続して1年を過ぎない期間、通常の生活環境から離れた場所を旅行したり、そこで滞在したりする人の活動」と定義しました。

日本では観光を細分化し、ドメスティック(国内居住者の国内観光)、インバウンド(国外居住者の国内への観光)、アウトバウンド(国内居住者の国外への観光)と分類。さらに、自宅以外の場所で1泊以上宿泊する旅行を宿泊旅行、宿泊を伴わない日帰り旅行に関しては、移動時間と滞在時間の合計が8時間以上かかる日常圏以外への移動、または宿泊を伴わない片道80km以上の移動と定義しています。

観光をするメリット

観光をするメリットは、まずリフレッシュできることが挙げられるでしょう。日常生活から離れ普段訪れることがない地域や場所に行くと、精神的に大きな開放感を得られます。また、観光地は美しい景色や賑やかな場所、華やかな街並みや歴史ある風情など魅力的な場所ばかりです。普段見慣れない景色にプラスして、美しく魅力的な空間を体感できるとなおさら心がワクワクして楽しさや嬉しさがアップします。

観光で楽しい経験を積み重ねることにより、再び日常生活に戻ったときに力が湧き出ること、写真やお土産などが手元にあると旅行が終わっても再び楽しい気持ちを思い出せることも観光のメリットです。観光は日常生活を頑張って生きている人々の心のオアシスであるといえるでしょう。そのほか、観光で地域の名所・名跡を訪れると、地域の歴史を知り造詣や知見を深めることができます。知らない土地の文化に触れ、地域の人と交流することで、価値観や生き方が変化することも観光におけるメリットです。観光をすることで、人生の奥行きが深まり人間性を磨き高められていきます。

日本における観光の歴史

中世期以前に日本の人々は、地域で生活しあまり活発には活動していませんでした。江戸時代においても幕藩体制がとられていたため、地域の各所には関所が設けられ人々の活動は制限されていましたが、徐々に海運や水運が発達すると共に文人や武士を中心に国内を観光するようになってきました。江戸時代には道中案内記などの旅行者向け国絵図などが出版されるようになり、観光が広がりはじめたと推察されます。

さらに庶民も、通行手形という身分証明書を所持していれば国内を巡ることが許されるようになりました。そのため各地域における街道沿いが賑わいを呈すようになり、同時に観光客が休憩する茶屋や宿場町が発展しはじめます。ただし、江戸時代は日本が鎖国政策をとっていたため、国外に観光に訪れるものは一人もいませんでした。

明治時代以降になると電車などの交通網が発達し、旅行や観光を行う人々が急増。同時に観光地が賑わいはじめ、観光産業も活発化します。第二次世界大戦以降になると、民間航空定期便(旅客機)の運行開始や新幹線の開通、高速道路の整備に伴い、さらに観光は活発化。1960年以降になると新婚旅行も一般的に行われるようになりました。

観光は人生を豊かにする

人生を豊かにする素晴らしい魅力に満ちている観光。訪れた地の美しさや文化、地域の人々と触れ合うことで、人生や価値観などが大きく変化することもあり、精神的な奥行きと深みを与えてくれます。また、非日常の世界に触れることで、精神的にリフレッシュできるのも魅力です。明日への活力を得られる観光は、人生における潤滑材であり大きな財産であると言えるでしょう。

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