相撲はスポーツ?
これは外国の方からよく聞かれる質問です。難しい質問ですが一言で答えるとするなら本来の相撲は勝ち負けを優先するスポーツより、神事=神様に捧げる行事といっても差し支えないと思います。では、私たちが日頃、目にする大相撲はと言うと、日本相撲協会が主催する興行で、江戸時代に今の原型が組織化されたと言われています。
お相撲さんはマッチョマン?
大相撲は土俵と呼ばれるリングから外へ出されたり、足裏以外の部分が土俵についた時点で負けが決まるというシンプルなルールが基本となっています。テレビなどではさほど感じられないことですが、実際に近くで目にする力士の体躯は想像以上に大きなものです。
また、一見太って見えることから超肥満体型と思われがちですが、力士の体脂肪率は見かけに比べ意外に低いことが知られています。数年前、慶應義塾大学スポーツ医学センターが幕内力士25名を対象に行なった体脂肪率測定での平均体脂肪率は32.5%。白鵬の場合で29%、さらに当時横綱だった日馬富士に至っては23%と驚くべき数字が示されました。また白鵬、日馬富士の場合は、骨格筋・内蔵などで構成される除脂肪体重が35~45kgも増加していたそうです。これは一般の常識では考えられない数値、力士の身体は文字通り筋肉の塊なのです。
アメリカでヨーロッパで、海外でも「ハッケヨイ!」
本場所と呼ばれる公式戦は、1年に6回、奇数月に開催され日曜日から翌々日曜日までの15日間で行われます。この本場所は開催場所も決まっており、それぞれ1月の初場所は東京の両国国技館、3月の春場所は大阪府立体育館。5月の夏場所は両国国技館、7月の名古屋場所は愛知県体育館、9月の秋場所は両国国技館、11月の九州場所は福岡国際センターで行われます。その他にも地方巡業という名前で各地を巡る1日だけのエキシビション的な行事やテレビ局が主催するトーナメント方式の日本大相撲トーナメントなどがあります。
紀元前に行われた野見宿禰(のみのすくね)と当麻蹴速(たいまのけはや)の取り組みが始まりとされるほど長い歴史を持つ相撲。日本の国技というイメージからは、伝統を守るあまり新しい動きには消極的とも思えますが、日本相撲協会は海外公演にも積極的。1962年のハワイ巡業をきっかけに、アメリカ・スペイン・ドイツ・香港・台湾・モンゴル・ジャカルタなどこれまでに13回もの海外巡業を挙行。また海外からの招待を受けて行われる海外公演も1965年以来11ヶ国計13回も行われています。大相撲でも海外出身の力士が増えている原因のひとつに、この海外巡業・海外公演の展開があるのかも知れません。
相撲帰りに両国でちゃんこでも
大相撲の本当の迫力、魅力はテレビのモニタではなかなか伝わってきません。本場所を見に行ってみましょう。
チケットの入手方法はインターネット限定の最速先行抽選やその後で受付開始の電話によるタマリ席抽選、そしてインターネット・電話・コンビニでの一般販売、観戦当日の当日券販売など様々な方法がありますが、人気があるだけに話題の取り組みがある日や初日、中日、千秋楽などのチケットの入手はなかなか難しいようです。とはいえ、150kgを超えるような巨体がぶつかり合う光景は、そんな苦労さえ忘れさせるほどの大迫力です。また大相撲といえば、もうひとつの魅力、「ちゃんこ」と呼ばれるグルメの数々も忘れるわけには行きません。
国技館のそばにも、『相撲茶屋 寺尾』『ちゃんこ霧島』など名力士ゆかりの名店が何軒もあります。
観戦の帰りには大相撲の余韻と共にちゃんこの旨さを堪能、そんな休日の楽しみもいいですね。
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