日本の食

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ひな祭りにも!?お雑煮大好き!食べて美味しい日本のお餅

2023年07月09日

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ご飯とお餅の違いって知ってますか?ご飯はお米を炊いたもの、お餅は蒸したお米をでペタペタとついて粘り気を出したもの!なんて考えていませんか。
実はご飯とお餅では使っているお米そのものが違うんです。
私たちが普段食べているのは「うるち米」と呼ばれるお米。それに対してお餅やお赤飯では「もち米」が使われます。こんな使い分けをするには、ちゃんとした理由があります。お米の主成分であるデンプンにはアミロースとアミロペクチンの2種類がありますが、食味が良いとされるお米の場合その比率は20:80程度。アミロペクチンが少なくなるほど粘り気が減ってパサパサのご飯になってしまいます。

ではもち米はというと驚くことにデンプンの全て100%がアミロペクチンとなっているのです。つまりお米の中でも最上級の粘り気をもつお米というわけ。なるほどお餅のあの伸びには素材の違いが影響していたのですね。

ご飯とお餅の違いって知ってますか?

四角VS丸 ここにもあった東西文化の違い

さて、日本人とお餅と言えば、誰でもが思い浮かべるのがお正月のお雑煮‥‥ですよね。長方形にカットされたお餅を軽く焦げ目がつくまで焼き、鶏肉で出汁をとった醤油味のつゆにひたして、トッピングは白ネギ蒲鉾三つ葉七味唐辛子をピリッと効かせるのが普通だと思っていたのですが、さすがは世界に名だたる食文化の国、日本。お雑煮も地域によって様々なスタイルがあります。

大きく分けると東日本は我が家と同様角餅に醤油系の澄まし汁仕立て、西日本は茹でた丸餅が入った味噌系のお雑煮となっているようです。
中でも変わり種は白味噌仕立てに餡餅入りという香川県。さすが和三盆の本場というウワサもありますがいったいどんな味なのでしょう。また、島根県には小豆たっぷりのその名も小豆雑煮、岩手県三陸地方ではつけ麺スタイル?でいただくお雑煮くるみ餅、お餅がみえなくなるほど具だくさんの長崎雑煮など地域の伝統を伝える個性派雑煮はたくさんあります。

西日本は茹でた丸餅が入った味噌系のお雑煮

お正月にお雑煮を食べるのはなぜ?

ところで、なぜお正月にはお雑煮なのでしょうか?平安時代にはすでに行われていたようですが、その正確な由来等についてはっきりしたことは分かっていません。ただ、稲作文化の日本で、お餅は祝祭や「ハレの日」に食べる特別な食べ物。その年初めての火で若水を沸かし、真っ白な心を表現するお餅を神様からの下されものとして頂いたのではないでしょうか。
それにしても、なぜそんな由緒ある食べ物に“雑”の文字が使われているのでしょう。お雑煮の語源は、色々な具材を煮合わせた「煮雑ぜ(にまぜ)」にあるといわれています。なるほど煮雑を逆にして雑煮ですか。これもまた日本らしい言葉の使い方ですね。
さて、清濁併せ呑むではありませんが、神様にお供えした様々な神饌を一つ鍋の中で煮込み、お餅と一緒にいただくこのスタイル。もしかしたら日本の鍋料理の元祖では?と思うのは私だけでしょうか。いずれにしても、これからもずっと伝え守っていきたい、日本の美味しい伝統文化。それがお雑煮です。

その年初めての火で若水を沸かし、真っ白な心を表現するお餅

ぼた餅とおはぎの違いってなに?

お餅と行事といえばお雑煮ばかりが取り上げられがちですが、ハレの日はお正月だけではありません。ひな祭りには菱餅、春のお彼岸にはぼた餅、端午の節句には柏餅、秋のお彼岸にはおはぎと季節の節目にはお餅がお祝いのバイプレイヤーを演じます。
よく話題になる春のぼた餅と秋のおはぎですが、これは呼び名が変わるだけで味も見た目も基本的には同じもの。春は牡丹、秋はとそれぞれの季節の花をイメージしたあたりにも、繊細な日本の心が感じられます。

また、地方によっては1歳を迎えた子供に一生食べ物にこまらないようにとの願いを込めて文字通り一升サイズの巨大なお餅を担がせて歩かせる一升餅や新築祝いの餅まきなど土地土地の文化に根ざした行事や習慣があるようです。

まだまだ寒い日が続くこの時期、お正月だけと言わず、お雑煮を食べて体をあたためてみるのも良いかもしれませんね。

ひな祭りには雛餅

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